PoEとは
PoEとは、Power over Ethernetの略で、イーサネットケーブル(LANケーブル)を通して電力を供給する技術のことです。
PoEの仕組み
従来、ネットワーク機器に電力を供給するには、電源アダプターとコンセントが必要でした。PoEは、この電源アダプターを不要にし、1本のイーサネットケーブルで、データ通信と同時に電力を供給することができます。
PoE給電を行う機器をPSE(Power Sourcing Equipment)、電力を受ける機器を**PD(Powered Device)**と呼びます。
PoEのメリット
配線の簡素化: 電源ケーブルが不要になり、配線作業が大幅に簡素化されます。
設置場所の自由度: コンセントの場所を気にせず、様々な場所に機器を設置できます。
省スペース: 電源アダプターが不要になるため、設置スペースを節約できます。
管理の効率化: 複数の機器を一括で管理しやすくなります。
PoEの活用例
PoEは、以下のような機器でよく利用されています。
ネットワークカメラ: 屋外や天井など、電源コンセントがない場所に設置する場合に便利です。
無線LANアクセスポイント: オフィスや店舗など、複数の場所に設置する場合に便利です。
IP電話: 卓上型や壁掛け型のIP電話に電力を供給できます。
IoTデバイス: センサーやアクチュエーターなどのIoTデバイスに電力を供給できます。
PoEの規格
PoEには、以下の規格があります。
EEE 802.3af: 初期のPoE規格で、1ポートあたり最大15.4Wの電力を供給できます。
IEEE 802.3at: 802.3afの後継規格で、1ポートあたり最大30Wの電力を供給できます。
IEEE 802.3bt: 802.3atの後継規格で、1ポートあたり最大60Wまたは100Wの電力を供給できます。
PoE対応機器の選び方
PoE対応機器を選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
規格: 自身の機器に必要な電力が、選択したPoE機器の規格で供給できるか確認しましょう。
ポート数: 接続する機器の数に合わせて、ポート数の多いPoE機器を選びましょう。
PoEスイッチ: PoE給電を行うための機器です。PSE機能とスイッチング機能を兼ね備えています。
PoEインジェクター: 既存のネットワークにPoE機能を追加したい場合に利用します。
まとめ
PoEは、ネットワーク機器の設置をより柔軟にし、管理を効率化する技術です。特に、電源コンセントがない場所への設置や、複数の機器を一括で管理したい場合に有効です。
この情報は一般的な情報であり、個々の状況に合わせて判断する必要があります。
この情報に基づいて行われた行為について、いかなる責任も負いかねます。